勉強、スポーツ、恋愛…「高校生」時間を大切に 松山高が100周年式典 オリンピアン、大学教授ら多士済々
埼玉県東松山市松山町の県立松山高校の「創立100周年記念式典」が18日、東松山市民文化センターホールをメイン会場に、同校体育館をネットワーク回線で結び開催され、生徒・教職員や卒業生らが1世紀の歩みを祝い、未来に向けて新たな一歩を踏み出した。式典では、卒業生で10月のパリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」で優勝し、代表に内定した小山直城選手(ホンダ)が出席、「本校4人目の五輪日本代表」と紹介され、注目を集めた。
同校は1923(大正12)年、県立松山中学校として開校。戦後の制度改革で、1948(昭和23)年、県立松山高等学校と改称。これまでに3万1千人を超す卒業生を送り出し、各界で活躍している。
式典には大野元裕県知事、日吉亨県教育長らが出席。小久保守校長は祝辞の中で「今後も『文武不岐』(創立以来の教育理念)を継承し、幅広い教養と礼節を備え、社会に貢献できる品格あるリーダーの育成を目指し、地域に愛される松山高校であり続けたい」などと述べた。
在校生を代表して生徒会長の松本竣陽さんが「100年の歴史の中には、たくさんの困難があったと思います。その困難を諸先輩方が乗り越えてきたからこそ、今の松高があります。これからも松高の伝統が受け継がれていくよう、全員がたゆまぬ努力を続けることを誓います」などと決意を述べた。
次いで、卒業生で大阪大学教授の猪俣敦夫さんが「夢を追い続けるための原動力―私を助けてくれた素因数分解の力―」をテーマに記念講演した。猪俣さんは、専門の「暗号理論」や「サイバーセキュリティー」との関わり、現状や今後の見通しについて言及。最後に「皆さんの進路は、これかから大学、就職、企業、海外、実にさまざまであろう、だからこそ高校生である短い時間を大切にしてほしい、勉強でもスポーツでも恋愛でも…」と生徒たちに呼びかけた。
この後、吹奏楽部と応援団がコラボレーション、演奏と演武で式典に華を添えた。