埼玉新聞

 

さいたま市議、本人が希望すればHPで“住所”非公開可に 女性市議ら「公人だが載せたくない人もいる」なり手不足、危険性など議論されていた…全会派が賛成 慣例で仕方なかった住所掲載に一石「全国に広がって」

  • 【地図】さいたま市(背景白)ー2

    市議の自宅住所「非公開」も可に=さいたま市

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 さいたま市議会の議会運営委員会が20日開かれ、議員の住所のホームページ(HP)掲載について、議員が希望する場合は非公開とする運用に改め、「本人の希望により非公開」と表記することを決めた。全会派が賛成し、来年1月1日から運用を開始する。

 5月の市議会広報編集委員会で、住所掲載について意見交換が行われた。自宅住所を公開することによる危険性や議員のなり手不足などが議論され、女性市議らが「公人とはいえ、自宅住所を載せたくない人もいる」と指摘した。

 20日の議運で、HPや広報紙に掲載する議員の「住所」「電話番号」を「連絡先住所」「連絡先電話番号」に改め、議員からの届け出通りに掲載すると決めた。市役所など公共施設の所在地は、個人の議員活動拠点ではないため、使用しないと申し合わせた。

 広報編集委員の出雲圭子市議(42)=立憲民主・無所属の会=は「良かった。他の自治体にも広がってほしい」と取材に応えた。住所の非公開を選択できることで、「安心につながり、議員のなり手不足の解消にもなるのではないか」と期待していた。

 同委員の池田めぐみ市議(45)=共産=も「一歩前に進み、うれしい」。住所掲載が慣例で続けられていたことから、「仕方ないという取り扱いだったので、議論になり良かった」と話していた。

 同委員長の江原大輔議長(51)=さいたま自民=は「多様性の時代の流れが大前提にある。市民と60人の市議のバランスを取った。政令市の議会としての責任でもあり、全国的に議論が進めばいいと思う」と述べた。

 総務省は9月15日付で、地方議会のHPに議員の自宅住所を掲載しなくても問題ないとする通知を各議会に出している。
 

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