埼玉新聞

 

何も謂ふこと無し…特攻機、自宅上空を旋回 特攻隊長の次女、桶川飛行学校の保存活動「平和が続くように」

  • 父伍井芳夫大尉の最後の自筆に思いを寄せる臼田智子さん=桶川市の自宅

  • 旧熊谷陸軍飛行学校桶川分教場の教官で、第二十三振武隊特攻隊長だった伍井芳夫大尉(臼田さん提供)

 「人世の総決算 何も謂ふこと無し」―。1945年4月1日、太平洋戦争末期の前線基地、鹿児島県の知覧基地を飛び立った第二十三振武隊特攻隊長伍井芳夫大尉=享年(32)=が前日に書き残した言葉だ。「本当はたくさんのこと言いたかったんだと思いますよ。あってはならない究極の任務だったんですから」と語るのは伍井大尉の次女でNPO法人「旧陸軍桶川飛行学校を語り継ぐ会」代表の臼田智子さん(76)。父と死別したのは1歳7カ月の時だった。

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