真っ向から対立…「市有地に無断建設」明け渡し求め、志木市が所有者提訴へ 所有者は22年末に市を提訴
2023/11/25/15:51
埼玉県志木市本町6丁目の市道脇の建物が市有地に無断で建設され、現在は居住実態がないなどとして、市は建物の所有者を相手取り、建物の撤去と明け渡しを求める訴訟を起こすことを決めた。27日開会の12月議会に訴訟議案を上程し、可決後、さいたま地裁に提訴する。
一方、所有者は2003年、この建物の所有権移転を登記。22年12月、市を相手取り、市有地の土地所有権移転登記を求める訴訟を同地裁に起こしている。
市によると、建物は木造2階建てで、敷地面積は約20平方メートル。1970年に建設され、現在は居住実態がなく、廃材置き場などになっている。土地は1920年に市道認定されたが、市は2021年3月に市道の一部を廃止するとともに、同年8月に市有地の所有権保存登記を行っている。
市は「建物は無人で老朽化が進み廃屋に近い状態。所有者は返還の求めに応じず、近隣住民にも影響がある」と理由を説明している。埼玉新聞の取材に対して、所有者は「元の所有者から購入した際に所有権を移転した。それ以上のことは係争中なので控えたい」としている。