<和光殺人>詐欺グループ内トラブルで男性殺害され…上位者からの制裁恐れ遺体遺棄 男が認める/地裁
2020/08/20/00:00
和光市で今年5月、月決め駐車場に止めてあった車の中から岩渕和政さん=当時(31)=の遺体が見つかった事件で、詐欺や死体遺棄などの罪に問われた川越市、無職の男(24)の初公判が19日、さいたま地裁(高島由美子裁判官)で開かれた。男は起訴内容を認め、検察側は懲役6年を求刑して即日結審した。判決は9月16日。
検察側の冒頭陳述によると、男は昨年夏ごろ、特殊詐欺グループに加入。その後加入した岩渕さんや少年(19)らと東京都板橋区内のマンションを拠点に特殊詐欺のかけ子などをしていたが、今年4月13日夜、少年が岩渕さんを殺害したため車で和光市まで遺体を運び、遺棄した。
被告人質問で男は、「大きな物音がしてキッチンに行くと、岩渕さんが倒れていた」と供述。遺体を遺棄した理由については「組織の上位の人に内部でトラブルがあったことが知られると、自分も制裁を受けると思った」と述べた。
論告で検察側は「遺体を毛布でくるむなど発見を困難にさせる態様の犯行で、車の運転など果たした役割は重要」と述べた。
弁護側は遺体の損壊行為がないことなどから「悪質とまでは言えず、偶発的な犯行だった」として寛大な判決を求めた。
起訴状などによると、男は4月14日、少年と共謀して、板橋区の会社から盗んだ軽貨物車に岩渕さんの遺体を乗せて和光市まで運搬。市内の月決め駐車場に車を放置し、遺体を遺棄したなどとされる。