感動の逸品、深谷・濱岡屋の“ゆでまん” 5時間煮る小豆から「声」、聴き取る店主が贈る創業130年の味
2020/08/27/00:00
明治時代の創業から130年。手間をかけて手作りしている餡(あん)が自慢の濱岡屋。夏にお薦めなのは「つるっ」「もちっ」とした皮の食感が心地よい「ゆでまん」だ。
餡に使っているのは北海道・十勝産の上質な小豆。砂糖は和三盆や上白糖など3種類。隠し味に沖縄の塩も入れている。小豆は煉瓦の釜炉でことこと5時間ほど煮る。4代目店主の岡部登さん(59)によると、砂糖を入れるタイミングは小豆の状態によって変わってくる。そこには小豆の“声”を聴き分ける技術と経験がものをいう。
ゆでまんの生地は小麦とでんぷん、砂糖をこねたもの。これを蒸すとゆでたような食感に。がぶりとかじりつくと粒餡の優しい甘さが口に広がる。小豆の豊かな味わいは感動ものだ。
3月に近所から転居したことを機にロゴなどを一新。こだわりの餡を全面的に押し出している。岡部さんは「昔からの製法に今の技術を加え、日々進歩を重ねている味です」と話す。
■メモ
深谷「古伝餡 濱岡屋」 深谷市西島町2の18の14(電話048・571・0505)。営業時間は午前9時~午後6時。水曜と月1回火曜休み。ゆでまんは1個150円(税別)。