<埼玉西武だより>試合中の栗山の所作、脳裏に 初の1軍昇格した西川愛也、将来行くレベルを肌で感じる
2020/09/06/00:00
「もっと早く1軍に上がりたいと思っていました。清宮君をはじめ、他球団では既に上で活躍している選手がいるので」
鋭い目つきで、こう話すのは今季、初の1軍昇格を果たすとプロ入り初安打、初打点をマークした3年目の西川愛也(花咲徳栄高出)だ。1軍の空気を吸った、つかの間の約2週間。2日に登録抹消となったものの、“あの時間”は西川の野球人生にとって計り知れないほど、大きな時間になる可能性を秘めている。
「1軍の選手の方の打撃練習を見て、(この先は)あのレベルでやっていかなくてはいけないんだ、と思いました。栗山(巧)さんの打撃練習を見ても、逃さず芯で球を捉えていました」
自身が将来、プロ野球選手として活躍していくためには、どんなレベルに行かなくてはならないのかを肌で感じた2週間。特に、鮮明に脳裏に張り付いているのは同じ左打者の栗山の試合中の所作だった。「追い込まれてからの対応やベンチにいる時から相手投手とのタイミングを取っている姿ですね」
目に映るさまざまな光景が西川の成長の糧になっていく。
その中でも与えられた2打席では、1本の適時二塁打をマーク。「自分の良さはアピールできたと思います」とうなずいた。初打席でファンを前にしても、「打つことに集中できた」ことを自信に、再びあの場所で輝くことを目指す。
西川が初めて打席に立った時、第1打席に左飛に倒れた時、自然に沸き起こったのはファンからの大きな拍手だった。
高校時代の3年間、この埼玉を舞台に大暴れしてきた西川。メットライフドームで、そのバネのような魅力的なフォームから無限大の打球が飛び出る日もそう遠くない。
(埼玉西武ライオンズ広報部・田代裕大)