愚か…女性店員、掃除中に縛られ暴行 ネカフェで監禁、身勝手なカッター男に懲役17年 犯罪への抵抗薄く再犯の可能性、裁判長「人の道を外れている」 夜の個室で顔を殴られ、死を覚悟した女性
昨年6月、川越市内のインターネットカフェで女性従業員を人質に立てこもりけがを負わせたなどとして、逮捕監禁致傷などの罪に問われた住所不定、無職長久保浩二被告(43)の裁判員裁判の判決公判が13日、さいたま地裁(北村和裁判長)で開かれた。北村裁判長は長久保被告の責任能力を認定。服役後約3カ月で犯行に及んでいることなどに触れ「犯罪への抵抗感が乏しく、人の道を外れている」として求刑通り懲役17年の判決を言い渡した。
北村裁判長は判決理由で、過去に起こした別の立てこもり事件で服役していた際などに精神障害が認められなかったことや、今回の事件でも状況に応じた行動をしていたことなどから長久保被告の責任能力と犯行の計画性を認定。被害女性を約5時間にわたって監禁しけがを負わせたことに触れ「(被害女性が)死を覚悟するほど強度で危険」と非難した。
また、服役後約3カ月で今回の犯行に及んでいることから「犯罪への抵抗感が乏しく人の道を外れている。あまりにも愚かで身勝手というほかない」とし、再犯の可能性も指摘した。
弁護側は犯行時や公判中の言動などから、長久保被告が反社会性パーソナリティー障害を患い、犯行に影響を及ぼしていた可能性があると強調。犯行当日の長久保被告の行動については「当初の計画を大きく変更しており、行き当たりばったりだった」として計画性も否定していた。
判決によると、長久保被告は昨年6月21日、川越市内のインターネットカフェにカッターナイフと包丁などを所持して来店。清掃作業をしていた女性従業員を同日午後9時50分ごろから翌22日の午前3時17分ごろまでの間、個室内に監禁して両手首を縛ったり顔面を殴るなどの暴行を加え、7日間のけがを負わせた。
長久保被告は2012年、愛知県内の信用金庫で立てこもり事件を起こしたとして、昨年4月まで服役し、出所していた。