埼玉新聞

 

<新型コロナ>リスクあり…秩父・川口で中学新人戦の地区予選中止 保護者ら撤回求める「子に目を向けて」

  • 「中体連新人戦秩父地区予選の開催中止の撤回を求める要望書」を提出する川端貴雄会長(左)=14日午前9時ごろ、秩父市熊木町の市歴史文化伝承館

 県PTA連合会の川端貴雄会長(50)=長瀞町=は14日、今秋予定されていた中体連新人戦秩父地区予選の開催中止の撤回を求める要望書を秩父地域1市4町の教育委員会に提出した。川口市でも保護者らが開催中止の撤回を求める署名運動を展開し、市教委に提出している。

 秩父地域の要望書は8348人分の署名を添え、中体連新人戦の開催中止を撤回して予定通り開催することと、県大会への不参加表明を撤回して他の地域同様に参加することを求めている。

 中体連秩父郡市連合会は新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、中体連新人戦秩父地区予選の開催中止と県大会への不参加を決定。県大会は開催される予定になっており、不満を持った生徒の保護者らが開催中止の撤回を求める署名運動を実施していた。

 川端会長は「秩父地域の教育行政が子どもたちに目を向けていないのが残念。新人戦を予定通りに開催し、県大会にも参加させてほしい」と語った。

 川口市では、市内の中学校生徒の保護者たちが「令和2年度市民体育祭(中学校の部)開催中止の撤回を求める会」(権田沙織代表)を結成し、これまでに8756人の署名を集め、市教委に提出している。

 署名活動は8月中旬のお盆明けから始まり、同月31日と9月11日に提出。署名に添えた意見書では「県大会が行われ、さいたま市で開催されるのになぜ川口が中止なのか」「感染症対策を各競技で行っている中の中止判断は選手生徒の努力を評価していないことになる」などと指摘し、要望が実現しない場合には対外試合の解禁、大会の独自開催など何らかの救済措置を求めている。

 息子がサッカー部だという代表の会社員権田沙織さん(34)は「署名簿を提出してから1カ月たつが、市教委から回答はなく、説明もない。1万人に近い市民が当惑している。中止撤回が難しいのは分かるが、子どもたちのことを考えてほしい。現場で指導する先生たちも戸惑っている」と話している。

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