埼玉新聞

 

深夜1時…ファミマに他人プリカを持った客 店員機転、客逮捕 県警表彰 事前に23歳店長が指導していた

  • 関根郁久署長から感謝状を贈られたファミリーマートふじみ野苗間1丁目店の(左から)鈴木貫さんと山県誠恵さん=11日午後、東入間署

 他人名義のプリペイドカードを不正利用した詐欺容疑者の検挙に貢献したとして、東入間署は11日、コンビニエンスストア「ファミリーマートふじみ野苗間1丁目店」店長(当時)の山県誠恵さん(23)と店員の鈴木貫さん(26)に感謝状を贈った。

 同署や県警国際捜査課によると、5月14日午前0時50分ごろ、来店した外国人の男がプリペイドカードを提示し、加熱式たばこの大量購入を申し出た。対応した鈴木さんは店の指導に基づき、男が持っていたカードを確認。名義が日本人女性だったことを不審に思い、110番した。

 駆け付けた署員の聴取などにより、男が加熱式たばこの詐取目的でコンビニに侵入した疑いが強まったため、建造物侵入容疑で逮捕(詐欺未遂罪で起訴)。さらにその後の捜査で、男が4、5月に市内や都内のコンビニ店で加熱式たばこをだまし取った疑いが次々に浮上。県警はこれまでに詐欺容疑で男を3回逮捕している。

 山県さんは「4月に近くで同じような事件が起きたと聞いていたので気付いた」と説明。鈴木さんは「店長から指導があったので対処できた。不正に売れば良からぬルートで流れる可能性があると思った」と話した。

 同署の関根郁久署長は「非常に勇気ある行動。日頃の指導が行き届いていた」と称えた上で、「犯罪の検挙や抑止には民間の協力が必要。ささいなことでもいいので通報してほしい」と語った。

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