新しい手口の詐欺注意 他人情報を不正入手、名義人に成り済ましカード再発行…個人情報を書き換え/県警
2020/09/18/00:00
ふじみ野市内のコンビニエンスストアで5月、加熱式たばこがだまし取られそうになった事件があり、逮捕された中国人の男らが使用したプリペイドカードは、カード会社が再発行したものだった。県警国際捜査課によると、共犯者が会員情報を不正に入手し、名義人に成り済まして再発行させた可能性があるという。県警は「全国的に新しい手口」として注意を呼び掛けている。
同課によると、手口は何者かがカードの名義人にポイントプレゼントキャンペーンなどと称したフィッシングメールを送信してIDやパスワードを入手。カード会社のホームページにアクセスし、個人情報を書き換えてカードを再発行させ、指定の住所に発送させるというもの。もともとのカードは名義人の手元に残るため、被害に気付きにくいという。
県警の調べでは、中国人の男らが関与したとみられる同様の事件は4月中旬から5月中旬にかけて、県内や東京都内で十数件発生。被害額は約150万円に上る。不正な再発行の手口は今年に入ってみられるようになり、警視庁でも摘発されているが、全国的にはまだ知られていないという。
日本クレジット協会(東京都中央区)によると、クレジットカードの不正利用被害額は2013年以降、増加傾向にあり、昨年は約273億8千万円だった。主な被害の内訳は番号盗用が81・4%、偽造・変造カードが6・5%。他にカード紛失や盗難による被害はあるものの、不正な再発行の被害は公表していないという。
同協会は「まずは怪しいメールを開いたり、メールの中のURLにアクセスしないことが大事」と指摘。その上で「利用明細を毎月しっかりと確認し、利用した覚えがなければすぐにカード会社に連絡してほしい」としている。