「ヤギ牧場構想」実現へ…児童数266人の小学校、年明けからヤギ2匹が“転入” 小屋は庭付き、日当たり良好
埼玉県戸田市笹目の市立笹目小学校(武藤昌博校長、児童数266人)では来年1月10日からヤギ2匹が「常駐」する。これまで2回の「お試し学校訪問」で児童はすっかりヤギに親しんだ。「校庭を児童とヤギが過ごす牧場にしたい」という武藤昌博校長(53)の夢が大きく前進する。武藤校長は、ヤギと触れあい喜ぶ児童を見て「よし、いける」と確信した。「ヤギたちは学校のいい家族になるだろう」
■お試し訪問
11月8日に続き、2回目のお試し訪問が9日に行われた。前回に続き、川口市神戸でヤギやヒツジの牧場を運営する山岡正義さん(79)がヤクシマヤギ3匹を軽トラックに積んで同小学校にやってきた。武藤校長らが、校庭の南はしに立てたくいに3匹をリードでつないだ。
校庭のヤギを見つけた児童が駆け寄ってきた。「かわいい」と言いながら、ほっぺに触れたり、体をなでたりした。首に手を触れた2年生の前田珠絆さんは「温かい。フワフワしてる」。
児童は校庭の端にある学校農園から干からびたサツマイモの茎を持ってきて食べさせると、ヤギたちは喜んで食べた。「食べる音がすごくかわいい。このヤギは赤ちゃんなんだ」と2年生の中原龍哉さん。
「ヤギがサトイモの枯れた茎が大好きなことは、子どもたちが発見したんです」と武藤校長。「子どもたちはやっぱりヤギが好きなんだ」
■次の構想
「ヤギを育てながら、子どもたちが大切なことを学ぶ学校をつくる」が武藤校長の構想。市教育委員会が今年、市内の小中学校に「戸田市未来の学び応援プロジェクト」の企画案を学校ごとに募集。笹目小は「ヤギ牧場構想」で参加している。
12月までに、かつてウサギ小屋だった小屋を大改修し、ほぼ新築のヤギ小屋も完成した。東西6メートル、南北8メートルの屋根とひさし付きの小屋は庭付きで日当たりは良好。
「1月10日から山岡さんの牧場から2匹が来て常駐します」と武藤校長。
朝、登校した児童が小屋からヤギを校庭の南の草原のくいにつなぐ。児童と一日を過ごし、ヤギは放課後の午後3時半ごろには小屋に戻る。ヤギと児童の学校生活が始まる。
武藤校長の前任地、笹目東小では、戸ケ崎勤教育長が校長の時に作った果樹園フルーツロードがある。毎年、プラムが豊作だ。武藤校長は「次の夢は笹目小フルーツロードです」と言う。