ラーメン480円、チャーハン550円…住宅街に店構え38年 “懐かしさ”求め来店の客も さいたまの「銀華飯店」
中華料理店「銀華飯店」は、埼玉県さいたま市浦和区大東に店を構えて38年になる。市立大東小学校から程近い住宅街に、赤い看板とのれんが目印。店主の村山健次さん(63)と妻美幸さん(63)の2人が切り盛りする。
村山さんは高校卒業後、義理の叔父が営む川崎市の中華料理店や都内の店で8年にわたり修行。叔父の店で働きながら、四川料理の父といわれる陳建民さんの料理学校にも通った。回鍋肉(ホイコーロー)や担々麺に使う甜麺醤(テンメンジャン)はこだわりの自家製。甘口のみそ、しょうゆ、酒、おろしニンニク、砂糖、ごま油などを時間をかけて練り上げる。
県中華料理生活衛生同業組合副理事長、浦和支部長を務め、高齢者施設を慰問してラーメンを振る舞ってきた。コロナ禍や店主の高齢化により組合員が減少傾向で、最近は思うように活動ができない。地元の祭りの防犯パトロールなどに参加し、地域貢献にも取り組んでいる。
ラーメン480円、チャーハン550円、ギョーザ350円。消費税5%の時代から値上げをしていないという。「いかに安く仕入れるかで、経営努力をしてきた。最近はお客さんから値上げをしたらと勧められる」と笑う。食材費や光熱費の上昇に、そろそろ我慢の限界を感じ、値上げの時期を模索している。
先日、子どもの頃に近所に住んでいた男性が東京出張で、足を延ばしてくれた。懐かしい味を求めて、来店する客が目立ってきたという。「長く店を続けていると、うれしいこともあるね。10年、20年、体が続く限り続けたい」と話していた。
【メモ】銀華飯店 さいたま市浦和区大東3の16の8(電話048・881・1105)。営業時間は午前10時~午後8時。定休日は水曜日。県中華料理生活衛生同業組合の業務などの理由により突然休むことがある。
【主な人気メニュー】野菜のあんかけをのせたスタミナソバ(680円)、スタミナ丼(700円)が人気。お薦めメニューの中華重(750円)は、麻婆豆腐や酢豚、回鍋肉などから2品選べるランチセット。