埼玉新聞

 

GoToトラベル活用、埼玉宿泊で3千円クーポン 県が提案、観光スポットの周遊や冬季観光の刺激にも

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた県内観光関連事業者を支援するため、県は24日開会の県議会9月定例会に、観光応援キャンペーン事業を提案する。県独自の同事業では、一定の条件を満たした県民10万人を対象に1人当たり3千円のクーポンを配布するほか、景品が当たる観光スタンプラリーなどを11月から始める予定。県内の観光スポットの周遊を促すことで、観光関連事業者への経済波及効果を狙う。同キャンペーンの事業費は2020年度一般会計補正予算案で4億6829万円。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合によると、1~5月に約6万9千人分のキャンセルが発生。全国旅行業協会県支部調べでは、同支部に加盟する旅行事業者のツアーで4~7月に約14万9千人、金額にすると23億2千万円分のキャンセルが発生している。

 県観光課によると、観光支援策の一環として始める県の3千円クーポンは、国の「GoToトラベル」を活用して、県内の宿泊施設を利用した県内在住者が配布の対象になる。クーポンはチェックアウト時に配られ、観光先での飲食や土産品の購入、移動の際のタクシーなどでの利用を想定する。国の「地域共通クーポン」の登録事業者で利用できる。

 クーポンの配布期間は来年2月まで、使用期間は同3月までを予定する。県のクーポンは、年度末までの長期間で使えるのが特徴。期間を長く設けることで、オフシーズンといわれる冬季の観光を刺激する狙いがある。同課は「11月以降でも紅葉や秩父の氷柱、神川の冬桜などの観光スポットがある」と県内観光の魅力をPRする。

 このほか、来年2月まで観光スタンプラリーの実施を予定する。県内100カ所の観光スポットにスタンプが置かれ、3カ所以上巡ることで、抽選で300人に景品が贈られる。宿泊券や体験型の観光メニューなどの景品も検討されている。観光バスの需要喚起策として、県内のバス事業者に県内発着の県内周遊バスツアーを企画した旅行会社に対して、バス1台につき日帰りで6万円、宿泊で10万円が給付される。

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