シールドマシン、発進! 戸田の地下に「雨水貯留管」設置へ 内径6m×約920m、浸水被害軽減目指す
2023/12/21/11:17
埼玉県戸田市内の雨水貯留管建設工事で使われる「シールドマシン」の発進式が19日、同市新曽の工事現場で関係者が出席して行われ、工事の安全を祈願した。シールドマシンは地下などのトンネルを掘り進める際に使用される筒状の掘削機。
同市内を東西に伸びる「北大通り」ではこれまでに、集中豪雨や大型台風による道路冠水などの浸水被害が発生している。今回の工事では同市新曽のJR戸田駅西口から笹目川に架かる山宮橋付近までの約920メートルにわたる北大通り地下空間に、降った雨水を一時的にためておく雨水貯留管を設置し、被害軽減を目指す。
雨水貯留管の直径は内径が6メートル、ためておける雨水の量は約2万6千立方メートルで、小学校の25メートルプール約86杯分に相当する。同市内で2005年9月に記録した1時間当たり最大71・5ミリメートルの降雨にも耐えられる規模という。
シールドマシンは先端のカッターが回転しながら土を削り、地下約10・1メートル~12・1メートルの深さで1日約10メートルを掘削。同時に「セグメント」と呼ばれるトンネルの壁面を組み立てながら進み、工事終了は24年度末を予定している。
発進式には工事関係者や地元関係者らが出席し、あいさつした菅原文仁市長は「地域の皆さまのご理解をいただき、工事がスタートする。来年は辰(たつ)年。シールドマシンが戸田市の地下を竜のように進んで無事に工事が終了し、地域の安心安全につながる治水プロジェクトとして完成するよう期待する」と述べた。