交付金申請で不正、部下らに虚偽の指示など判明 和光市、詐欺や横領容疑で逮捕の元市幹部に賠償請求へ
2020/09/26/00:00
和光市が生活保護受給者などから預かっていた金銭をだまし取ったなどとして、詐欺や業務上横領容疑で逮捕、起訴された元同市企画部審議監(57)=公判中=が「交付金申請に絡み、職員らに不適切な指示を行うなどの不正行為を行った」などとして、同市は元審議監を相手取り、返還金など計約6200万円の損害賠償を求める訴えを起こす。提訴議案が25日、9月議会で可決したことを受け、来月中旬にさいたま地裁に提訴する方針。
市によると、市は2010年3月、新設する高齢者賃貸住宅に介護療養病床を設置することを条件に国から地域介護福祉空間整備等整備交付金4500万円の決定を受け、同年4月に対象事業者に補助金として支出した。しかし、同住宅に同病床が設置されなかったため、会計検査院は14年、交付金の取り消しを決定。市は加算金を加えた計約5600万円を返還した。今年2月、交付金の申請経緯などを調査したところ、元審議監が部下らに虚偽の指示をしていたことなどが判明したという。
市議会は25日、事件の背景と原因を究明し再発防止を図るとして、「元和光市職員の不祥事に関する調査特別委員会」(安保友博委員長、委員9人)を設置した。