埼玉新聞

 

とっさに勇気 電話する女性に「代わってくれる?」…男性が詐欺阻止 ヤマト運輸も阻止「この配達怪しい」

  • (右から)岩根忠署長、船越祐さん、渡辺陸さん=川越署

 川越署は、特殊詐欺を未然に防いだ川越市の会社員船越祐さん(29)と、被疑者逮捕に協力した同市のヤマト運輸川越おおつかセンター従業員渡辺陸さん(39)に感謝状を贈った。

 船越さんは、8月31日午前、同市商業施設内の現金自動預払機(ATM)コーナーで順番待ちをしていたところ、70代女性がATMを操作しながら携帯電話で「還付金」について通話している様子を不審に思い、「電話を代わってもらえますか?」と女性に声を掛けた。

 電話越しの男の話から詐欺を確信した船越さんは、女性にATM作業を中止させ、すぐに110番。特殊詐欺被害を未然に防止した。同署によると、女性は金融機関職員らを名乗る男に「保険料の過払い金がある」などと言われていたという。

 渡辺さんは、8月26日午前中、同市かし野台地内のアパート一室に電化製品の配達依頼を受けたが、届け先が空き家だったため不審に思い、同アパートの管理会社を通じて署に通報した。

 その後も、再配達を装い、男を同アパート付近に誘い込むなど捜査に協力した。

 感謝状を受け取った船越さんは「とっさの判断が結果に結び付いてよかった」、渡辺さんは「怪しいと思ったら荷物は渡さない。今後も協力していく」と話していた。

 同署の岩根忠署長は「2人の勇気ある行動に感謝する。これからも捜査に協力してほしい」とたたえた。

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