<小4男児殺害>慕ってきた男児を殺害…義父が認める 義父が手紙「自分もつらい」母「心からの反省ない」
2020/10/01/00:00
昨年9月にさいたま市見沼区の集合住宅で義理の息子で小学4年の男児=当時(9)=の首を絞めて殺害し、メーターボックス内に遺棄したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職の父(33)の裁判員裁判の初公判が30日、さいたま地裁(任介辰哉裁判長)で開かれた。父は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、男児は被告のことを慕っていたものの、「被告は男児の言動に不満を示していた」と指摘。事件当日に男児が学校から帰宅後、トラブルとなり、殺意を抱いたと述べた。殺害後は犯行が発覚しないよう、遺体を黒色ビニール袋を使って外部から見えにくくし、凶器の電源コードや男児のサンダルを自宅内のごみ袋に捨てたとした。
弁護側は「当時、被告がどのような悩みを抱えていたのか、今後も同じような事件を繰り返してしまう人なのかを見極めてほしい」と述べ、情状酌量を求めた。
証人尋問で被告と当時婚姻関係にあった男児の母は、男児を「明るく、優しい子」と説明。事件後、父からもらった手紙に、「自分もつらい。出所するまで、待っていてほしい」などと書かれていたことから、「事件と向き合わず、心からの反省がない。どうして事件が起きたのか、自分がやってきたことを全て話してほしい」と訴えた。
起訴状などによると、父は昨年9月17日夕方、集合住宅の自室で、男児の首を電気コードで絞め付けて殺害し、メーターボックス内に遺棄したとされる。