好調ヤオコー、総菜が根強い人気 一緒に人気高い飲食店の弁当も販売、コロナ苦戦の店支援へ
ヤオコー(川越市)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営に苦しむ飲食店の支援に乗り出す。地域産品や地元企業の支援の一環。1日から川越的場店(同)の近隣で人気が高い飲食店が作る弁当の販売を始める。店内調理の総菜が根強い人気を誇る自社の訴求力も生かしつつ弁当の販売を促進し、連携する飲食店の経営を後押しする。
扱うのは川越総合地方卸売市場(同)の敷地内にあるブュッフェレストラン「Market Terrace(=MT)」の弁当。2010年7月開業で、野菜など県産食材を多く取り入れる料理で、人気を集めている。
販売する品は6品。人気の柿の種衣の唐揚げ入りの弁当(税別815円)、彩の国のトマトを使ったペンネアラビアータ(税別482円)、川越産ホウレンソウのペペロンチーニスパゲティ(同)など。午前中と夕方の2回、MTが調理し運んだ物を同店に陳列予定。ランチや夕食需要の取り込みを狙う。11月末までで事前予約は不要。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務などの拡大は、飲食店への客数減にもつながり経営に直撃している。MTでも収益環境が悪化。7月にはアトレマルヒロ(川越市)内の店舗を閉店するなど苦戦が続く。ただ厳しい状況ながらも、ファンのつなぎ止めへ店内飲食サービスの工夫やテークアウト需要の取り込みなど店外飲食サービスにも注力している。
新型コロナによる巣ごもり消費などで、4~8月の既存店売上高は前年より1割増と堅調なヤオコーでは、客単価も2割上昇。家庭内料理を目的に高品質の食材や調味料などの売れ行きが良いという。要因を「在宅機会の増加が長引くも、自宅でおいしい食事を楽しみたい消費者需要が高まっているためではないか」と分析する。
新型コロナ対策支援へ出店都県の自治体に医療用資材などを寄付するなど地域貢献を推進する同社。地域の困り事の改善による地域密着姿勢の強化と新しいニーズの取り込みを並行して行おうと、川越市内で人気を集めるMTとの連携が決まった形だ。
まずは川越的場店で販売に注力。取り組みを踏まえつつ、今後も新型コロナ対応も含め、さまざまな地域応援活動の展開を検討する方針という。