埼玉新聞

 

<新型コロナ>新座市「財政非常事態」を発令 市税など大幅減収へ…試算で25億円の財源不足見込み

  • 新座市役所=新座市野火止

 新座市は1日、新型コロナウイルス感染症の影響を巡り、「2021年度の予算編成などで、市税などの大幅な減収により財政の危機的状況が見込まれる」などとして、財政非常事態宣言を発令した。同日付で、庁内に市長を委員長に部長級らで組織した「財政再建戦略会議」を設置し、歳入増や事業の見直しなどの検討に本腰を入れる。市が財政非常事態宣言を出すのは1970年の市制施行以来初めて。

 市によると、20年度の一般会計予算は約520億円。個人や法人市民などの市税は約250億円。ただ、国の経済財政諮問会議が示した来年度の国内総生産(GDP)見通しを基に市の21年度予算を試算したところ、市税などの大幅減収により前年度比約25億円の財源不足が生じることが分かった。

 並木傑市長は「新型コロナウイルスの収束が見えない状況であり、国内外の経済の回復の見通しも立たないところです。同ウイルスが収束に向かい、市の財政が好転した段階で、非常事態宣言は解除し、これまで以上に市民に『住んでみたい、ずっと住み続けたい』と思っていただけるような安定した行政運営を実現します」などとコメントしている。

ツイート シェア シェア