<小4殺害>絶対許せぬ…男児の母、重罪求める 父に懲役20年求刑…復縁したい「今でも母と男児は大切」
2020/10/03/00:00
昨年9月にさいたま市見沼区の集合住宅で義理の息子で小学4年の男児=当時(9)=の首を絞めて殺害し、死体を遺棄したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職の男(33)の裁判員裁判の論告求刑公判が2日、さいたま地裁(任介辰哉裁判長)で開かれた。検察側は懲役20年を求刑。弁護側は懲役8年の判決を求めた。判決は9日。
意見陳述で、被告と当時婚姻関係にあった男児の母は「9年間、大切に育ててきた息子の命を一瞬で奪った。絶対に許すことはできない」と述べ、重罪を求めた。
論告で検察側は、男児が抵抗していることを認識していながら、数分間にわたって首を絞め続け殺害した卑劣な犯行と指摘。犯行後は手紙などを通じ母親との復縁を望んでいることから「反省の態度が乏しい」と断じた。
最終弁論で弁護側は、男が事件当日、家事や夕食の準備など、いつも通りの生活を送っていたことから、計画的な犯行ではないと主張。学校から帰宅してきた男児に「本当のお父さんではない」と言われ、衝動的に首を絞めたとして寛大な判決を求めた。
最終意見陳述で男は「今でも2人(母と男児)のことを大切に思っている。本当に申し訳ないことをした」と謝罪した。
起訴状などによると、男は昨年9月17日夕方、集合住宅の自室で、男児の首を電気コードで絞め付けて殺害し、電気や水道設備を収納するメーターボックス内に遺棄したとされる。