埼玉新聞

 

<新型コロナ>インフルとの同時流行に備え414億円 県が補正予算案 発熱患者の検査費用など盛り込む

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は2日、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、抗原検査費用などを盛り込んだ約414億7千万円の2020年度一般会計補正予算案を開会中の県議会9月定例会に提案すると発表した。コロナとインフルのどちらの可能性もある発熱患者に対し、抗原検査費用を補助する36億9920万円も含まれている。一般会計の補正後の累計は2兆3083億9015万円となる。

 政府が閣議決定した「新型コロナウイルス感染症対策予備費使用」を踏まえ、検査・医療提供体制を強化するために必要な経費について補正予算を編成する。

 地域の医師会などと協議、合意の上で県が地域の1200医療機関を「診療・検査医療機関」に指定し、周知するための6億66万円の協力金を創設。発熱患者から相談を受ける体制を強化する経費などとして、1医療機関当たり50万円を助成する。マスクなど医療物資を保管、配送する費用(3220万円)も計上し、身近な医療機関でコロナとインフルの両方を診療、検査できる新たな体制を構築する。

 県財政課によると、県内のインフルエンザ検査は17年度に直近では最も多い約159万3千件となったことから、抗原検査についても同等程度が必要になると想定。最大1日3万人程度の発熱患者の診察が必要となることを見込んでおり、医師会を通じて公募し、指定を申し出た1200の医療機関で行う。

 厚生労働省は「診療・検査医療機関」を公表する場合は、自治体のホームページなどで医療機関と対応可能時間などの周知することを求めている。

 さらに患者の入院治療に備えて病床を確保する重点医療機関には、国の診療報酬引き上げに合わせ、現在の5万2千円から7万1千円、特定機能病院などについては7万4千円にそれぞれ増額する。

 生活困窮者への支援では貸付原資や事務費として補助金を増額(203億4709万円)する。県は「検査、医療提供体制の強化や生活福祉資金の特例貸し付けの延長に要する経費について、国の動向に迅速に対応する」としている。

ツイート シェア シェア