記憶にないくらいの快挙 浦和実高2年が日商簿記1級合格 倍率8・9倍、県内高校生7年ぶり 勉強時間は
公認会計士や税理士など国家資格の登竜門となる日本商工会議所(日商)簿記検定試験1級に、浦和実業学園高校商業科情報進学コース2年の長谷川剛志さん(17)が合格した。県内高校生の簿記検定1級合格は7年ぶり。仲間の応援を励みに努力を重ね、倍率8・9倍の狭き門を突破した。
昨年11月の試験には全国で7588人が受験し、680人が合格した。試験は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4分野(各25点)で、合格ラインは総合で70点以上。1分野でも10点以下があると不合格になる。合格者の大半が社会人の中、県内の高校生では長谷川さんだけだった。
簿記と出合ったのは高校に入学してから。「自分でも好きか分からない」と話すが、不思議とのめり込んだという。
1年生の2月に3級、2年生の6月に2級合格。「ここまで来たら」と夏休み前に1級挑戦を決意した。
試験勉強は1日約5~6時間に及んだ。ほかの生徒より1時間早い午前7時に登校し、授業開始前に約1時間。午後3時過ぎの授業終了後から夜8時ごろまで、教室にこもって約4~5時間。夏休みには東京・池袋の専門学校に連日通い、応用問題や過去問題を何度もこなした。
昨年11月18日に行われた簿記検定試験。終了後に自己採点すると合格ラインのギリギリで「不安な日々」だったが、長谷川さんは見事合格。家族や友人からの祝福に「うれしさよりもほっとした気持ちが強かった。頑張って本当に良かった」と話す。
さいたま商工会議所によると、学生が簿記検定1級に合格した例は2012年6月、当時の高校3年生以来。担当者は「高校2年生での合格は記憶にないくらいの快挙。ましてや1級に初挑戦で一発での合格はただ驚くばかり」と評価する。
現在は公認会計士に興味があり、今後勉強してみたいと意気込む長谷川さん。「友人や家族など、多くの励ましが頑張る力となった。合格でみんなに恩返しできてうれしい。今後もいろいろなことに挑戦していきたい」と満面の笑みで話した。