ひとり親向け、安価な県営住宅を供給へ 県が子育て支援 7月から入居の受け付け開始予定
県はひとり親の低所得世帯を対象に、民間の賃貸住宅と比べて家賃が安価な県営住宅を2019年度から4年間で700戸供給する。月々の家賃を抑えることで子育て費用に充てたり、確保してもらうのが狙い。新年度は100戸供給し、7月から入居の受け付けを開始する予定。20年度以降は毎年200戸用意する。19年度当初予算案に修繕費用として5910万円を計上した。
県住宅課によると、18年4月1日現在で県営住宅は279団地に約900棟あり、戸数は約2万7千に上る。入居対象は世帯収入が基準(原則月額15万8千円)以下の世帯。入居期間は10年以内としている。
入居者の入れ替わりに伴い、18年度は2280戸、17年度は2206戸で入居者を募集した。入居希望者の応募倍率は同年度で2・9倍だった。県は毎年度約2200戸で入居募集している住宅のうち、18歳未満の子どもがいるひとり親世帯の専用枠を設ける。
間取りは主に2DKか3DK。地域に偏りがないよう県内全域でひとり親世帯向けの住宅を用意する。同一地域の同じような間取りの民間賃貸住宅と比べると、家賃が月額3万円程度安いという。同課は「ひとり親世帯は困窮世帯が多い。民間賃貸住宅の家賃との差額分を子育て費用に充ててほしい」としている。
県は子育て世帯の住宅支援策として、「埼玉住まいる子育て応援プロジェクト」を展開。39歳以下の夫婦を対象に専用枠を設け、16~19年度の4年間で県営住宅2千戸を供給する支援事業では、18年度までの3年間で1444戸を貸し出している。
また、県営住宅に入居する子どもらを支援しようと、今月27日から越谷間久里住宅(越谷市上間久里)と新座野火止南住宅(新座市野火止)の2団地でNPO法人による子どもの居場所づくりの運営が始まる。
越谷間久里住宅は週3回、新座野火止南住宅は月2回程度、集会所を活用して学習支援や食事の提供などを行う。同課は「2団地の状況を見ながら今後の展開を考えたい」としている。