さいたま市浦和区の自宅で昨年1月、妻と長男の首を絞めたなどとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた無職の夫（69）の裁判員裁判の判決公判が6日、さいたま地裁で開かれた。中桐圭一裁判長は懲役4年（求刑・懲役6年）を言い渡した。

　判決理由で中桐裁判長は、夫が、統合失調症の妻と長男を長年介護してきたが、自身も2018年10月ごろに神経疾患と診断され、「悲観的になり犯行に及んだ」と説明。犯行時、夫が心神耗弱の状態にあったことを考慮しても、「自らの手で2人の命を奪おうとした責任は重い」と断じた。

　判決によると、夫は19年1月1日、自宅で妻＝当時（64）＝と、就寝中だった長男＝当時（31）＝の首を両手で絞め、長男を窒息死させた。妻は一時的に意識を失ったが、命に別条はなかった。