<埼玉うどんパスポート>半端でないこだわり“つゆ”、「さわいち」の武蔵野うどん 人気メニューは他にも
香川県に続き、うどん用小麦の生産量が全国2位の埼玉県。県内各地に新旧さまざまなご当地うどんがあり、その多彩さは「東のうどん王国」と呼ぶのにふさわしい。埼玉県物産観光協会が配信している「埼玉うどんパスポート2020」は県内のご当地うどんを紹介しながら、登録店で割引も受けられるアプリ。スマホを手にうどん店を食べ歩きしてみよう!
■厳選食材で体も喜ぶ/手打ちうどん さわいち「武蔵野うどん」(見沼区)
武蔵野うどんは主に県西部を中心に食べられてきたが、最近は県内全域で提供店を見かけるようになった。つけ汁に冷たいうどんをつけて食べるのが基本で、固めの麺が特徴だ。
「手打ちうどん さわいち」は、さいたま市見沼区にある武蔵野うどんの“古くて新しい名店”。25年間営業していた先代が引退する際、常連客だった不動産業の鈴木亮一さん(54)が「街が寂しくなる」と跡を継いで2年目となる。
とにかく食材へのこだわりは半端でない。つゆに使っているかつお節、さば節、宗田節は鹿児島県の枕崎産。全国各地のものを試し、1年がかりで探し出した。それらを使い、毎朝白だしを取る。さらに、2週間寝かせたかえしと混ぜ、つゆを作る。雑味がなく、まろやかなコクと甘み。うどんを食べ終えたら、ゆで湯で薄めて飲むことをお薦めしたい。ごくごく飲める、まさに体が喜ぶ味だ。
手打ちうどんに使う小麦粉は県産小麦のあやひかりを中心にブレンド。粉をひき、練り、寝かす作業を経て1週間。最後に手切りして「一本一本に気持ちを入れる」(鈴木さん)。
人気の「肉なす汁うどん」は、加須のブランド豚「香り豚」の肉、素揚げしたナス、ネギ、エノキダケがつけ汁に入っている。もちろん野菜も県内産だ。
うどん打ちは独学で始め、試行錯誤を繰り返し、この味にたどり着いた。今も理想の味を求め、“実験”を繰り返している鈴木さん。「お客さん(の舌)が常に進化しているので、店も進化していかないと、納得してもらえない」と話す。
■手打ちうどん さわいち
さいたま市見沼区大和田町2の1009の1(電話048・688・3888)。午前11時~午後3時(土・日曜日のみ午後6~9時も営業)。無休。肉なす汁うどんは税込み830円(パスポート割引で同550円)。11月6日から所沢市の「ところざわサクラタウン」にも新店舗がオープン。