<高校サッカー展望>優勝争い、昌平が頭一つリード 昌平―正智深谷ゾーン、シード破り候補は“浦和勢”
サッカーの第99回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)は11日、52校による決勝トーナメントが開幕する。今大会は新型コロナ感染拡大防止の観点から無観客で実施。決勝は11月15日に行われ、優勝校が全国高校選手権(12月30日~来年1月11日・埼玉スタジアムほか)への切符を手にする。2月の県新人大会優勝で第1シード昌平と同準優勝で第2シード西武台は24日の3回戦から、その他のシード校は18日の2回戦からそれぞれ登場。熱戦の行方を展望した。
前回の全国選手権8強の主力が残り、県内で唯一プリンスリーグ関東に参入している昌平が、優勝争いで頭一つリード。昨年の選手権埼玉大会、今年の県新人大会といずれも昌平に決勝で敗れ、雪辱を誓う西武台が追う展開だ。このほか4年ぶりの頂点を目指す正智深谷、県新人大会4強の武蔵越生、進境著しい細田学園など強豪私学がひしめく団子状態。前回初めて8強を私学が独占しただけに浦和南、市浦和、浦和東、浦和西など公立校の奮闘も大会の盛り上がりには欠かせない。
■連覇へ揺るぎない"屋台骨"
連覇に向け、昌平は前チームからのレギュラーでJクラブ入りが内定しているFW小見(J2新潟)、トップ下の須藤(J1鹿島)と小川(同)、柴(J3福島)の両ボランチの"4本の屋台骨"が揺るぎない。
さらに、群を抜くテクニックが魅力の1年生荒井と2年生平原は注目の新戦力。この2人と須藤が形成する2列目は強烈だ。左サイドバック(SB)小沢の攻撃参加も大きな強みで、今チームも圧倒的な得点力を誇る。
初戦の3回戦は、運動量豊富なボランチ神田や決定力のあるFW徳谷、阿部らを擁して2年ぶりの栄冠を狙う浦和南か、軸が整っていて個々の能力が高い狭山ケ丘が相手になりそう。準々決勝ではボランチ桑田が攻守の要で左利きのテクニシャンのMF山田と点取り屋のFW岡田がけん引する埼玉栄、あるいは県内随一の突破力が特長の2年生MF水野やボランチ大谷、センターバック(CB)渋谷が頼もしい武南が待ち受けそうだ。
反対側は県新人大会4強の正智深谷と前回ベスト4の聖望学園が有力。正智深谷は空中戦や対人に強いCB大塚が堅守の柱で、攻撃はキープ力のあるボランチ松山や山本、佐宗の2トップに期待だ。3トップが売りの聖望学園は、屈強なフィジカルを誇る遠藤を中央に右は2年生榎戸、左に矢島と快速ウイングを配置。中盤の底に入る鳥海の配球力、展開力が鍵を握る。
このブロックではポストプレーと泥くささが持ち味の古沢と技術が高い2年生紀の両FWが引っ張る浦和東、MF西城を中心に攻守で組織力が光る浦和学院、県U―18(18歳以下)S1リーグに所属し攻撃サッカーを掲げる市浦和の"浦和勢"がシード破りの候補だ。