<新型コロナ>インフルとの同時流行に備え、医療体制強化 診療・検査する機関、県が1200カ所を指定へ
2020/10/15/00:00
県は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの両方について、診療と検査を実施する「診療・検査医療機関」を指定する。本格的な冬の到来で懸念される新型コロナとインフルの同時流行に備え、県内の医療体制を強化する。1200カ所を目標に、15日から医療機関の申請を受け付ける。
県によるとインフルの流行期は毎年、県内で100万人以上の患者が発生。新型コロナ感染の収束も依然として見通せない中で、県は今冬、1日当たり最大3万人の発熱患者を想定している。
新型コロナとインフルを臨床的に鑑別することは困難なため、発熱症状のある患者でならいずれの疾患でも地域の医療機関で受け入れられる体制を整備する。
診療・検査医療機関の指定を受けた医療機関については県が機関名、所在地、電話番号などを公表する。患者は県のホームページなどで最寄りの診療・検査医療機関、受付日時などを確認し、事前予約を取ってから受診する。
県は1200カ所の指定を目指す。患者が自身のかかりつけ医など身近な医療機関で診てもらえるように、県医師会の金井忠男会長は「全ての医療機関に手を挙げてほしい」と呼び掛けている。
指定を受けると国や県の財政支援が受けられるほか、検査に必要な個人防護具(PPE)の優先配布もある。
医療従事者と患者の安全を確保するため県医師会は現場での診療、検査などの指針を示したガイドラインとQ&Aを作成、周知に努めている。医療機関は診療のみを行い、検査(検体採取)は県内32カ所の地域外来・検査センターに依頼することもできる。