<新型コロナ>なんとしても乗り切るぞ 蕨の商店街が一丸で対策、ステッカーで安心安全を宣言
2020/10/18/00:00
「このステッカーは商店街のプライドの象徴。なんとしてもコロナを乗り切っていくぞ、という気持ちで頑張っている」。蕨駅西口近くで焼き鳥や唐揚げなどの鶏肉専門店「とり勇」を営む田村明人さん(55)は、妻幸子さん(53)と二人三脚で店を守る。手に持つのは蕨商工会議所(牛窪啓詞会頭)が制作した「安全宣言」のステッカー。県が推奨するコロナ対策に取り組むことにより安心安全の店と宣言する旗印だ。
田村さんは2代目。店は1967年に父勇さんが母和子さん(82)と開業した。勇さんは49歳で病に倒れて他界。後は和子さんが勇樹さん、明人さん兄弟を育てた。
明人さんは中央大商学部を卒業、約10年母のもとで修業して、04年に父の名の店の2代目を引き継いだ。勇樹さんも近くで飲食店「田むら」を営んでいる。
明人さんは蕨銀座商店街協同組合(約30店)の理事長を務める。「売り上げが立たないから、6月まで3カ月は商店街の会費をいただかない。みんな懸命に頑張ってる。商売人の魂、専門店のプライドを持っている」
蕨商議所の安全宣言ステッカーは、市の公式マスコット・ワラビーがマスク姿で、かわいい。同商議所は市内の全商店街の約400店で店頭に張り出す活動をしている。コロナ禍を乗り切るため、「彩の国・新しい生活様式・安心宣言」に賛同の署名をしてもらった店舗が対象。
県の安心宣言は(1)3密回避(2)手洗いやマスク着用などの感染防止対策(3)消毒設備など安全設備の設置(4)安心に向けた創意工夫│など8項目の実施を盛り込んでいる。
「市内の全ての商店街が一丸となってコロナ対策に取り組むのは県内ではトップのスタートです。商議所の経営指導員も全力で支援していきます」と同商議所の事務局長、長谷川浩司さん(50)は話している。