能登半島へ…現地で、埼玉で、被災者支援が拡大 県などが公営住宅提供へ 川口、熊谷から給水車も出発
埼玉県は9日、能登半島地震で住宅が全半壊などの被害を受けた被災者に、県営住宅30戸を提供すると発表した。家賃や敷金は免除する(水道光熱費を除く)。居住期間は原則6カ月以内で、最長1年まで延長可能。修繕やクリーニングなど準備が整い次第、申し込みを受け付ける。
関東地方整備局の要請を受け、政令指定都市のさいたま市を除く62市町村に対して県が行った照会では、17市6町村(9日時点)が市町村営住宅など計113戸を提供する。
県は9日までに防災ヘリによる救助活動や、避難所運営支援業務などを行う11人(県職員4人、市町職員7人)を石川県七尾市へ派遣。同県志賀町からの要請により、カラーコーンの重し100個を提供した。厚生労働省を通じて災害派遣精神医療チーム(DPAT)の派遣要請を受け、埼玉県立精神医療センターの精神科医ら4人を七尾市の能登総合病院に派遣し、避難所巡回による地域支援などを行っている。
大野元裕知事は「県営住宅の定期募集が1月のため空き部屋が少ないが、必要に応じて可能な限り、さらなる提供に努めたい」と話した。県住宅課によると、入居後に罹災(りさい)証明書の提出を求めるという。
提供に関する問い合わせは、県住宅課(電話048・830・5564)へ。
■給水車1台と水道局職員4人を派遣/川口市
埼玉県川口市は10日から、能登半島地震の被災地に市上下水道局の職員4人と給水車1台を派遣すると発表した。
日本水道協会の要請を受けた派遣。3400リットルの給水ができる市の給水車が10日朝に出発して同日中に石川県内に入り、現地の要望に沿って、今月15日にかけて断水地域での給水業務を行う。
現地に派遣される市上下水道局上水道維持課、上水道建設課の職員らが9日、奥ノ木信夫市長に出発を報告。奥ノ木市長は「現地は被害の全容がいまだ明らかになっていない。まずは自分の安全を確保し、給水活動をお願いしたい」と激励した。
■給水車1台と水道課職員3人を派遣/熊谷市
埼玉県熊谷市は9日、能登半島地震の被災地である石川県の輪島市や志賀町へ給水車を派遣するのに合わせ、壮行会を同市原島の市水道庁舎で行った。
市によると、市は発災後から支援の申し出を行っており、受け入れの調整が整ったため、今回派遣を実施する。派遣期間は10日から15日までで、派遣する給水車は1回で2千リットルの給水が可能。水道課職員3人も同行する。
壮行会では小林哲也市長らが職員を激励し、「地域の方に貢献してほしい。市としても被災地の状況を踏まえ、真に必要な支援を積極的に行っていきたい」と話した。