育成4位から目指すは抑えのエース 埼玉西武・豆田投手“初の舞台”で決意表明 一日鴻巣署長に充実感
プロ野球・埼玉西武の豆田泰志投手(20)=越谷市出身、浦和実高出=が10日、「110番の日」キャンペーンの一環で鴻巣署の一日警察署長を務めた。豆田投手は鴻巣市本町の「エルミこうのすショッピングモール」でトークショーを実施。球春到来を前に「抑えのエースを目指して1試合1試合やっていく」と決意を述べた。一日署長として交通事故や特殊詐欺被害の防止、適切な110番通報について呼びかけた。
豆田は育成ドラフト4位で指名され、2021年に埼玉西武に入団。昨年7月、支配下登録されると、同28日の楽天戦でプロ初登板し、三者凡退に抑える好投でデビューを果たした。同10月のシーズン最終戦でプロ初セーブを記録。昨季は中継ぎ、抑えとして16試合に登板し15回1/3を投げ、防御率0・59の成績を残した。
2軍で登板を重ねる中で「1試合ではなく1イニングを考えた時に力の使い方が変わった」と最高球速を更新し1軍に昇格すると、シーズン途中で自己最速の152キロをマークした。
「結果や成績が出なくて心が折れそうなことばかりだった」と豆田投手。入団後ファームで過ごした2年と数カ月はモチベーションの維持が難しかったという。「周りが胸を張って自慢できるピッチャーになりたくて、それがあったから諦めずにやれた」と周囲の応援を力に変えてきた。
昨季は終盤にかけて直球のキレや変化球の精度に関して好感触をつかんだ。新シーズンは4年目の勝負の年。地元埼玉出身の右腕は「誰にも譲らない気持ちで頑張りたい」と絶対的な安定感を誇るクローザーを志す。
トークショーの会場には約300人の聴衆が集まり「僕を見に来て、知ってもらえるのがすごくうれしい。参加してよかった」と豆田投手は初めての一日署長に充実感を口にした。
鴻巣署の中山和典署長は「やっぱりスターがいると違う」とたくさんのファンが訪れたイベントの様子を喜んでいた。