<埼玉西武だより>背番号47の挑戦 自分にもっと気合を…桶川育ちの松岡洸希、高校生以来の丸刈り頭に
ほろ苦いデビューになったとはいえ、大きな第一歩を踏み出した瞬間だった。
11日、ルーキーの松岡洸希(桶川西高出)はプロ入り初の1軍昇格を果たすと、その日の楽天戦に2番手として登板した。「緊張しました。雰囲気が違いました」と振り返った初マウンドは1回2失点。持ち前の直球を投げ込んでいったものの、ランナーをためてから痛打された。
ファームでふがいない登板が続いたことがあった。「自分にもっと気合を入れなきゃいけない」。髪をばっさりと切り、高校生以来という丸刈り頭に。その後、1軍からお呼びが掛かると、その丸刈り頭の“面影”を残しながら、遠征先の仙台でチームに合流した。
15日には札幌で日本ハム戦に登板し、こちらも1回1失点。四球で出塁を許し、リズムを作れないなど、課題が残る内容だった。
初めて身を置いた1軍で痛感したことがある。それは、練習の精度の高さだ。キャッチボールなどの基本練習の意識や精度の高さに感銘を受けた松岡が「目標とする方です」と話す守護神の増田達至の練習風景を見て、「もっと一つ一つの練習をより丁寧にやっていくようにしなくてはいけない」。肌で感じたトップの世界で、そう誓った。
初登板を終えた日、ブルペン担当の豊田清投手コーチから声を掛けられた。「まずは初登板おめでとう。勉強して多くを学んでいこう」。17日に1軍登録は抹消となったが、背番号47の挑戦はまだ始まったばかりだ。
桶川市で育ち、埼玉武蔵ヒートベアーズから入団した弱冠20歳。全身バネのようなダイナミックなフォームで、サイドハンドから繰り出されるキレ味鋭い直球には、大きな夢がある。かけがえのない経験を経て、また一つ成長した松岡が、“埼玉の星”になってくれることを願うばかりだ。
(埼玉西武ライオンズ広報部・田代裕大)