身近であまり見掛けない…上尾の高校教諭、青いハチの撮影に成功 自然環境や農業に重要、県内では減少傾向
2020/10/25/00:00
県立杉戸農業高校教諭の林昌彦さん(48)が今月中旬、上尾市藤波の自宅庭に飛来した青いハチの撮影に成功した。県内では減少傾向にあるハナバチの一種で、身近で見掛けることはあまりない。専門家は「青い蜂をきっかけにハナバチについて知ってほしい」と話している。
林さんが撮影したハチは庭に咲くコバルトセージの花の密を吸っているようだった。セージの青が反射しているのではなく、腹部に瑠璃色の筋があることが分かる。「子どもと発見し、美しい体の色に感動した。この機会にたくさんの人にもっと自然に目を向けて欲しい」と埼玉新聞に情報を寄せた。
写真を基に調査したところ、ミツバチ科で絶滅危惧種に指定している県もある「ナミルリモンハナバチ」の可能性が判明。美しい体色とその珍しさから「幸せを呼ぶ青い蜂(ブルー・ビー)」と呼ばれ、注目を集めている。
北本市の県自然学習センターに問い合わせたところ、写真のハチは「ナミルリモンハナバチ」ではなく、コハナバチ科の「アオスジハナバチ」だという。青いハチの一種で、体色が黒く、腹部に瑠璃色の筋がある。夏から秋にかけて、県内で見られるという。
同センター自然学習指導員の高野徹チーフは林先生が指摘した「ナミルリモンハナバチ」についても解説してくれた。こちらは腹部だけでなく、頭部から胸部にかけて青い斑紋が見られることなどが特徴。「アオスジハナバチ」と同じく、県内でも見られるという。
高野チーフによると、ハナバチは自然環境や農業にとって極めて重要で、近年は減少傾向にあるという。青い蜂への関心の高まりに触れ「花粉を媒介するハナバチが農業に与える影響は大きい。身近なハナバチが生活に役に立っていることを考える良いきっかけになれば」と話した。