電車内で心肺停止、男性倒れる…乗っていた看護師が心臓マッサージ、経験生かし人命救助 大宮消防署が表彰
2020/10/26/00:00
大宮消防署は21日、電車内で突然倒れた70歳代男性に心臓マッサージなどの応急処置をしたとして、春日部市の小笠原舞さん(33)に表彰状を贈呈した。小笠原さんはさいたま赤十字病院の看護師。集中治療室で約8年間の勤務経験があった。とっさの場面で経験を生かし、人命救助に貢献した。
同署によると7月23日午前10時5分ごろ、小笠原さんがJRさいたま新都心駅で高崎線の電車に乗ると、車内に座っていた男性が突然倒れた。男性は意識がなく、心肺停止の状態。小笠原さんは他の乗客が駅員に通報するまでの間、心臓マッサージを実施。その後、駅員が自動体外式除細動器(AED)を使うと、男性は徐々に意識が戻り、病院へ搬送されたという。
小笠原さんは看護師として集中治療室での勤務経験もあり、心臓マッサージの方法も熟知していた。「明らかに男性は顔色が悪かった。とにかく処置をしなければと、瞬時に体が反応した」と、当時を振り返る。
男性は会話もできるほどに回復し、現在は健康状態も良好だという。
川田英雄署長は「迅速で適切な対応により、傷病者を危険な状態から回復に向かわせ、尊い命が救われた」と、小笠原さんの勇気ある行動に謝意を示し、表彰状を贈呈した。
小笠原さんは「倒れた人を見て当たり前のことをしただけ。このような表彰を励みに、今後も看護師として、多くの命を救えるよう頑張りたい」と力強く話した。