埼玉新聞

 

<高校サッカー>昌平が8年連続8度目のベスト4 武南に3―1 サイドからの攻め、相手切り裂く

  • 昌平―武南 後半10分、昌平・平原(右)がヘッドで押し込み追加点。GK吉田

 (第4日、31日・浦和駒場スタジアム=埼玉新聞社など後援)

 準々決勝2試合を実施し、昌平と正智深谷がそれぞれ勝ち準決勝進出を決めた。4強入りは昌平が8年連続8度目で正智深谷は4年ぶり8度目。

 正智深谷は前回大会4強の聖望学園に4―0で圧勝。前半25分にFKから大塚のヘッドで先制すると同29分には大野が豪快なミドルを蹴り込み、同36分にもこぼれ球を小屋が押し込んだ。後半にも途中出場の浅見がゴールを挙げ、守備は無失点に抑えた。

 連覇を狙う昌平は武南に3―1で快勝した。前半39分に左CKのはね返りを唐木が頭で押し込み先制。後半10分には相手クリアを平原がヘッドで決め、27分には小見のPKで突き放した。37分に1点を返されたが、難なく逃げ切った。

 第5日の11月1日は準々決勝の残り2試合が細田学園―西武台、武蔵越生―立教新座のカードで行われ、4強が出そろう。

■セットプレーとサイド攻撃で圧倒/昌平

 セットプレーとサイド攻撃を有効に使った昌平が武南を圧倒した。

 昌平は前半39分、左CKからシュートのはね返りを唐木が頭で決め先制すると、後半10分には小沢の左クロスを小見が合わせ、相手のクリアを平原がヘッドで押し込んだ。17分にも小見がPKを決め突き放した。武南は後半37分の井上の得点までシュートゼロとゴール前まで進入できなかった。

■サイド活発 隙なし/昌平

 今の昌平は中央だけではない。サイドからの攻めもストロングポイントだ。引いて守り、中央を固める武南に対して、本間、小沢の右左のサイドバック(SB)が、これでもかというぐらい仕掛け、相手を切り裂いた。

 象徴していたのが後半10分の2点目だ。左SB小沢が「縦(への突破)は対策されている。カットインからアーリークロスを狙った」と切り込んでから右足でゴール前へ絶妙なクロスを送ると、ワントップの小見が右足ダイレクトで合わせた。そして、相手が何とかクリアした球を平原が難なくヘッドで押し込んだ。

 小川とダブルボランチを組み、攻撃サッカーの心臓部となっている柴は「優介(小川)と外からどんどん攻めていこうと話していた」と力を込める。3回戦の浦和南戦からの計5得点中、流れの中で奪った3点はいずれもSBのクロスから。ただ、今度はサイドを意識させることで「結果的には中もどんどん空いてくる」と柴は確信する。

 年々進化を遂げながらこれで8年連続の4強入り。「日々の積み重ねが確固たる力になる」という藤島監督の言葉には、重みと説得力があった。

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