禁じられた場所で豚解体、容疑で上里のベトナム人逮捕 大量盗難被害との関連を捜査 携帯電話に解体画像
2020/11/02/00:00
許可なく食用に豚を解体したとして、埼玉県警捜査3課と国際捜査課、本庄署、児玉署の合同捜査班は1日、と畜場法違反の疑いで、上里町三町、ベトナム国籍で無職の男(29)=入管難民法違反(不法残留)罪で起訴=を再逮捕した。容疑を認め、「SNSを介して1万5千円で豚を購入した」「包丁やバーナーを使って解体し、(同居のベトナム人)みんなで食べた」などと供述。押収した携帯電話からは豚を解体している画像が見つかっており、ベトナム語で「豚を買ってほしい」という趣旨のやりとりが残されていたという。
と畜場法では、県知事から許可を受けた食肉処理場以外の場所で食用目的で豚や牛などの解体を禁じており、摘発は県内初。県警は埼玉や群馬など北関東を中心に発生している家畜や果物の大量盗難被害との関連を調べる。
逮捕容疑は7月ごろから8月ごろまでの間、自宅アパートの浴室内で豚1頭を解体した疑い。
捜査3課によると、9月後半ごろ、本庄署に「この部屋に住んでいる外国人がいっぱいいる」「梨や豚を盗んで販売している」と情報提供があり、捜査を開始。10月11日、児玉署管内で盗難車が逃走する事件があり、関連があるとみて職務質問した男が今回再逮捕された男だった。
県警はパスポートを持っていなかったため、入管難民法違反(旅券不携帯)容疑で逮捕。同月21日、同法違反(不法残留)容疑で再逮捕し、余罪を調べていた。
男は2018年7月6日に技能実習生として来日。横浜で食品関係の仕事をしていたとみられる。「もう少しお金が欲しかった」「仕事がしたかったが、コロナで全然雇ってもらえない」などと供述しているという。
県警は、男が豚を譲り渡して収入を得ていた可能性もあるとみて、入手経路や処分先について調べる。