鶴ケ島出身バンド「鶴」、ビデオレターで小中生にエール つるがしま逸品会が企画 生徒「気持ち前向きに」
コロナ禍で学校生活に不安やストレスを抱える子どもたちを元気づけようと、鶴ケ島市の飲食店などでつくる「つるがしま逸品会」は、同市出身の3人組バンド「鶴」の歌とメッセージを収めたビデオレター(DVD)を作成し、市内の全13小・中学校に贈った。映像を見た生徒は「前向きになれた」と喜んだ。
鶴ケ島ふるさと応援大使を務める「鶴」は、各地のライブ会場などで鶴ケ島の魅力を発信してきた。昨年10月には市運動公園で野外ライブ「鶴フェス」を開き、全国から1万人を超すファンを集めた。鶴フェスの宣伝、出店などを通じ、鶴と親交があった逸品会はコロナ禍の子どもたちに向けたエールをバンドに依頼していた。
約20事業所が加盟する逸品会の会員で企画発起人の渡辺健さん(47)は「本来であれば鶴の生ライブ演奏で子どもたちを励ましたかったが、コロナで今は無理。ビデオレターという形で未来への希望を伝えたい」と話した。
約8分間のビデオレターには鶴の3人からのメッセージと、逸品会がリクエストした曲「バタフライ」を収録。市役所で行われたビデオレター贈呈式で鶴のボーカル秋野温さん(39)は「やれることが限られている時期だからこそ可能性がある。柔軟な若い子たちに未来を切り開いてほしい」と願っていた。
児童生徒を代表して13校分のビデオレターを受け取った斉藤芳久市長は「厳しい状況下だが、曲を聴いて、子どもたちが夢や希望を持ってくれたらうれしい」と語った。
3人の母校である市立西中学校ではビデオレターが市に贈呈された当日、3年生約120人が体育館で視聴した。「(ビデオレターで)みんなが笑顔になってほしい」などのメッセージと、力強い歌を生徒らは聴き入っていた。男子生徒(15)は「コロナで出掛けることができないし、受験勉強も思うようにできず苦しかったが、歌を聴いて前向きな気持ちになれた。曲が心に残った」と話していた。