埼玉新聞

 

浦和南高に記念碑完成 赤き血のイレブン・永井さん、JFA会長が除幕 Jチェアマン、さいたま市長ら祝う

  • 記念碑の完成を祝う(左から)永井良和さん、日本サッカー協会の田嶋幸三会長、清水勇人市長、Jリーグの村井満チェアマン=3日午後、さいたま市南区辻の浦和南高校グラウンド

 全国高校選手権やインターハイなど計21タイトルを獲得し、「サッカーのまち浦和」の名を全国に響かせた、さいたま市立浦和南高校、同市立浦和高校、県立浦和高校、県立浦和西高校の浦和4校サッカー部OB交流会の第20回記念大会が3日、浦和南高グラウンドで開催された。史上初の全国高校3冠を成し遂げた同校と故松本暁司監督(1934~2019年)をたたえる記念碑が完成。いずれも同校OBで、3冠達成時のフォワード永井良和さん(68)と日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)が除幕して祝った。

 除幕式には、Jリーグの村井満チェアマン(61)=浦和高OB=と、さいたま市の清水勇人市長らも出席した。

 永井さんは快速フォワードとして、高校2年時に全国3冠を達成した。漫画「赤き血のイレブン」の主人公玉井真吾のモデルとされる。「鬼マツ」と呼ばれた松本監督から怒られたことはなかったという。「褒められてばかりだった。一昨年に会ったとき、『怒るとやめると思った』と言われた」と振り返る。卒業後は古河電工で活躍して日本代表を務めた。Jリーグや浦和レッズレディースの監督も歴任。現在は千葉市のサッカークラブで小学生たちを指導している。目を輝かせる子どもたちと接して、「基本練習が大事と教えている。毎日が楽しい」と語った。

 田嶋さんは「玉井真吾に憧れ、松本先生の指導を受けたくて入学した」とあいさつ。浦和4校の卒業生たちが日本サッカー界で活躍していることに触れ、「浦和が日本のサッカーを支えていると言っても過言ではない。浦和に来てサッカーができたことを誇りに思っている。松本先生ほど、浦和を愛した人はいない。記念碑ができたことに感謝したい。浦和のどのチームでもいいですから、全国大会に出て勝ってほしい」と話した。

 市立浦和高で全国連覇を達成した時のゴールキーパー内田武さん(78)は1年時、同じキーパーだった松本監督から指導を受けた。「1年間、徹底的に絞られて一人前のキーパーになれた。そのおかげで、2年時に(全国で)初優勝できた」と振り返っていた。

 交流会には4校のOBら約200人が参加し、旧交を温めた。試合は新型コロナウイルスの感染防止を徹底して年代別で実施。50~59歳の部は浦和西高、35~49歳の部は浦和高がそれぞれ優勝した。

 60歳以上のエキシビションゲームに最年長で出場した元小学校教諭の倉又泰弘さん(66)=市立浦和高OB=は試合後、「仲間と試合ができて気持ちいい。好きを通すということを、現役の選手たちに教えていきたい」と流れる汗を拭いながら話していた。

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