埼玉新聞

 

飲み仲間、橋から転落させられ溺死 車で送った男、容疑で逮捕 直前に口論、飲食店で数千円の支払い巡り

  • 男が新井さんを転落させたとみられる武蔵大橋と橋の下を流れる利根川=4日午後5時ごろ、行田市

 行田市の利根川右岸で8月、身元不明の男性の遺体が見つかった事件で、県警は4日、男性を橋から川に転落させて殺害したとして、殺人の疑いで、熊谷市円光2丁目、会社員の男(51)を逮捕した。死亡したのは熊谷市肥塚、警備員新井治雄さん=当時(46)=で、男とは飲み仲間とみられている。県警は同日、行田署に60人態勢の捜査本部を設置。犯行の動機や経緯について詳しく調べる。

 逮捕容疑は8月14日未明、行田市の利根川に架かる武蔵大橋で、新井さんを川に転落させて殺害した疑い。転落への関与は認めているものの、「殺意はなかった」と供述しているという。

 捜査本部によると、司法解剖の結果、新井さんの死因は溺死で、頭などに外傷があった。

 男と新井さんは前日の8月13日午後7時ごろから14日未明ごろまで、現場から約8キロ離れた飲食店で他の知人らと飲酒。その際、数千円の支払いを巡って口論になったという。

 その後、男は自らが運転する車に新井さんを乗せて現場に向かい、犯行に及んだとみられる。殺害後、飲食店に戻り、知人らに「新井さんは一人で歩いて帰った」などと話したという。

 14日午前6時50分ごろ、行田市須加の利根川右岸で、釣りに来ていた男性が新井さんの遺体を発見し110番した。橋から約300メートル下流の中州に引っ掛かったような状態で見つかったという。

 県警は新井さんの交友関係や現場付近の防犯カメラの捜査などから、殺人事件と断定。直前まで行動を共にしていた男の関与が浮上した。

 橋から水面までの高さは当時約14メートルで、水深は約1・4メートル。橋の欄干の高さは1メートルほどだった。

 県警は現場の状況などから、男に殺意があったと認定。新井さんとの間に何らかのトラブルがあり、暴行の上、転落させて殺害したとみて調べている。

ツイート シェア シェア