全国ワースト6位…2023年埼玉県内の交通事故死者、負傷者とも増加 バイク、自転車での死者多く
2023年の埼玉県内の交通事故死者(暫定値)は22年より18人(17・3%)多い122人で、6年ぶりに増えたことが県警のまとめで分かった。人身事故の負傷者も前年より563人多い2万159人で10年以来、13年ぶりに増加。県警交通総務課は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、「人と車の動きがコロナ前の水準に戻ったことが要因として考えられる」と分析している。
同課によると、23年の死者122人は千葉の127人に次いで全国ワースト6位。年齢層別では65歳以上の高齢者が2人増えて67人で全体の約55%を占めて最多で、状態別では歩行者が50人(1人増)で最も多かった。
全体の死者数を押し上げているのが原付を含めたバイクと自転車。バイクが33人で10人増、自転車が23人で7人増で、この二つの増加数がほぼ全体の増加分(18人)につながった。バイクの33人のうち約4割に当たる13人が胸部に致命傷を負って亡くなっていて、同課は胸部プロテクターの着用を呼びかけている。
自転車の死亡者23人は全員がヘルメットを未着用で、うち最多の14人(60・9%)が頭部の負傷が死因だった。
県警が、昨年4~12月に久喜駅周辺やイオン与野店周辺など一般の自転車利用者が多い4カ所で行った調査ではヘルメット着用率は15・4%。全ての自転車利用者へのヘルメット着用を努力義務化とする改正道交法が施行された4月1日以前の1~3月の7・6%と比較して、2倍以上になっているものの、浸透しているとは言い難い。同課は、「自分の命を守るためにもヘルメットをかぶってほしい」と訴え、着用促進に引き続き力を入れる。
人身事故件数は前年比377件(2・3%)増の1万6953件で、負傷者数は2・9%増えて2万人を超えた。物件事故件数は8972件(6・2%)増の15万3011件だった。