ところざわサクラタウンが全面開業 3万冊の本が一堂に…巨大な本棚劇場も公開 森村誠一さんのコーナーも
所沢市東所沢和田に出版大手KADOKAWAが整備を進め、運営する大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」が6日全面開業し、関係者を招いてセレモニーが行われた。約4万平方メートルの敷地に文化施設や書籍製造工場、ホテルや飲食店などがある。角川歴彦会長は式典で「所沢から次の飛躍を始める。地元の皆さんと共生し、新しいコンテンツ会社像を示していきたい」と述べた。
ところざわサクラタウンは旧所沢浄化センター跡地に建設され、約4万平方メートルの敷地内に美術館、博物館、図書館を融合させた複合文化施設「角川武蔵野ミュージアム」や、アニメをテーマに「好きな物語に泊まる」がコンセプトのホテル、KADOKAWAのオフィス、書籍製造工場、飲食店などが並ぶ。
市とKADOKAWAが共同で文化と自然が共生した地域づくりを進める「COOL JAPAN FOREST(クールジャパンフォレスト)構想」の拠点となる。
地上5階建てのミュージアムは建築家の隈研吾さんが設計を手掛け、今回の開業で4、5階の吹き抜け空間に展開される高さ約8メートルの巨大な本棚が並ぶ「本棚劇場」も公開された。
KADOKAWA創業者の角川源義氏の個人蔵書など約3万冊の本が一堂に並ぶほか、熊谷市出身の作家森村誠一さんのコーナーも設けられている。本棚を背景に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとしたプロジェクションマッピングも上映される。
ミュージアム5階には埼玉、千葉、東京にまたがる武蔵野地域の魅力を掘り起こし、発信する空間「武蔵野回廊・武蔵野ギャラリー」が展開される。武蔵野の再発見をテーマに民俗学者の赤坂憲雄さんが選書した幅広いジャンルの本が展示される。
全面開業は当初、7月の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期し、8~10月にプレオープンしていた。