少年少女を逮捕 9864万円流出事件で一部を引き出した「出し子」の可能性 県内男性が被害
2020/11/11/00:00
インターネット証券のSBI証券の顧客名義で不正に開設された銀行口座などから現金を引き出したとして、埼玉県警サイバー犯罪対策課と川口署は10日、窃盗の疑いで、いずれも中国籍で川口市に住むアルバイトの少女(19)と専門学校生の少年(19)を逮捕した。
同証券は9月、顧客6人の6口座から計約9864万円が流出したと発表しており、少年らはこのうちの一部を引き出した「出し子」とみられる。
逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀の上、8月20日から9月16日、川口市内などのコンビニエンスストアに設置された現金自動預払機(ATM)で他人名義のキャッシュカードを使用し、現金計約56万3千円を引き出して盗んだ疑い。
同課によると、このうち52万円はSBI証券の顧客で県内に住む40代男性の口座から引き出されたものだった。
少年らの仲間が男性本人に成り済まして勝手にゆうちょ銀行口座を開設。何らかの方法で男性のIDやパスワードを入手してSBI証券の口座に不正アクセスし、現金を送金させた上で引き出したとみられる。
男性が9月、被害に気付いて蕨署に相談。防犯カメラの捜査などから少年らの関与が浮上した。
少年らはいずれも容疑を認めており、「お金が欲しくてやった」「ネット上で知り合った中国人に指示された」などと供述しているという。
少年らは20回以上にわたって計約300万円を引き出したとみられており、県警は複数の役割に分かれた組織的犯行とみて調べる。