いざ「武士飯」 鎌倉時代に思いはせ…学芸員×栄養教諭、渾身のコラボ給食 嵐山の町立幼小中で提供
2024/01/26/11:30
埼玉県嵐山町学校食センターは県立嵐山史跡の博物館とコラボレーションして、「鎌倉時代の武士飯」献立を考案した。24日の給食に提供され、同町立幼稚園・小中学校の園児・児童・生徒、教職員らが「武士飯」を味わいながら、いにしえの武蔵武士に思いをはせていた。
昨秋、同町は郷土が生んだ鎌倉時代の武蔵武士・畠山重忠公が主人公のマンガ「いざ鎌倉 いざ嵐山 正路をゆく 清廉の人 畠山重忠物語」を発行。町内の小中学生全員に配布した。同博物館は現在、企画展「武蔵武士の食と信仰―食べて 祈って 戦って―」を開催している。このため「食を通じて、子どもたちに町の偉人や歴史に興味を持ってもらおう」と全国学校給食週間(24~30日)に合わせて企画した。
コラボ献立は、同博物館の学芸員・関口真規子さんから「武蔵武士の食生活」について聞き取り、同給食センターの栄養教諭・奥田梢さんがイメージを膨らませ、給食用にアレンジした。
鎌倉時代の武士は、米や野菜(主にサトイモやダイコンなどの土の中にできるもの)とキノコ、山菜、果物などのほか、体力をつけるため、狩りで捕った鳥、シカ、イノシシや魚などを食べていた。調味料として塩や酢、酒、味噌(みそ)のような醤(ひしお)があったとされる。 献立は「発芽玄米ご飯」「根菜の味噌汁(ゴボウ、ネギ、ダイコン、サトイモ、シメジ)」「鶏肉の塩焼き」「かぶときゅうりの梅和え」と牛乳。
この日、同町菅谷小学校(荒川統校長、児童数404人)の「給食の時間」を待ちくたびれた児童たちが、提供された給食を黙々と食べていた。「武士飯」を楽しみにしていたという6年生の清水陽介さん(12)は「チキンの皮も(発芽玄米)ご飯にマッチして、おいしかった」と話していた。