埼玉新聞

 

バイデン氏のマスク販売、さいたまの玩具メーカー トランプ氏の法廷闘争、注文に影響か 旬の芸人よりも…

  • 米大統領選で勝利宣言したバイデン前副大統領とトランプ大統領のゴム製マスク=10日午前、さいたま市大宮区堀の内町のオガワスタジオ

 米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が7日、勝利宣言した。さいたま市大宮区の玩具メーカー「オガワスタジオ」(早川元章社長)は選挙前から、バイデン氏のゴム製マスクの販売を開始。共和党のトランプ大統領が敗北を認めないため、同社管理部長の高橋航基さん(30)は「気持ち良くバイデンさんが当選といかず、爆発的な注文には至っていない。早く結論を出してほしい」と話している。

 高橋さんによると、バイデン氏のマスクは10月中旬から販売を開始し、同月内に600~800個を生産。トランプ氏もほぼ同じ数だった。トランプ氏は「怒り」のイメージで、強烈なキャラクターだったことから、4年前の当選直後は月に最多6千個を生産。これまでに2万~3万個を販売した。「分断ではなく融和を目指す」というバイデン氏のマスクは、癒やしのイメージで「笑顔」の表情にした。11月に入り少しずつ注文が来ており、年末にかけて2千~3千個の販売を期待している。

 同社は国内外の著名人やお笑い芸人、動物、映画キャラクターなどのゴム製マスクを製造している。安倍晋三前首相が突然辞任し、菅義偉首相が9月に就任したときは、「令和おじさん」のマスクを既に製作していたので即座に対応、9~10月に1500~2千個を売り上げた。高橋さんは「旬の芸人さんより、任期の長い政治家の方が息の長い商品になりやすい」と話す。

 今年は新型コロナウイルスの影響が大きかった。東京五輪を含めイベントや催しが次々と延期や中止となり、売り上げは「かなり厳しい」という。同社は宴会やパーティーなどに使用されるグッズの生産が中心。例年はハロウィーンのある10月から忘年会シーズンの12月までがピークで、業界全体が苦しいという。

 トランプ氏が法廷闘争を続けるとしており、米大統領選の混乱は県内のメーカーにも影響を及ぼしている。

 同社の工場では10日、バイデン氏とトランプ氏のマスクをそれぞれ製造していた。今後、バイデン氏の生産を増やす予定にしているが、高橋さんは米大統領選について、「早く結論を出してほしい。弊社としては、どちらか決まった方を応援するだけです」と話していた。

 バイデン氏とトランプ氏のマスクは1個2400円(税別)で販売している。

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