<高校サッカー>スタイル変える柔軟性持つ昌平 武蔵越生、積極的な守備が不可欠 決勝戦見どころは
サッカーの第99回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)は15日、昌平―武蔵越生の決勝が行われる(無観客のため、会場と試合時間は非公開)。昌平は2年連続4度目、武蔵越生は初優勝を目指し、両校が選手権を懸けた決勝で顔を合わせるのは初。勝者が全国高校選手権(12月31日~来年1月11日・埼玉スタジアムほか)に出場する。1枚の切符を争う熱戦の見どころを探った。
今季は2月に行われた県新人大会準決勝で顔を合わせ、昌平が前半だけで3得点を奪って5―0と大勝した。前回全国8強の主力がそのままチームをけん引する昌平に対し、武蔵越生は粘り強く守って少ない好機を得点につなげられるか。
初の決勝に勝ち進んで勢いに乗る武蔵越生は2回戦からの4試合で計7得点1失点と安定した試合運びが光る。タイトル獲得のためには昌平の攻撃の芽を摘む積極的な守備が不可欠で、頭と体をフル回転させて前線からプレスを仕掛けたい。
堅守を支えるDFラインは安定感のある松永、声でチームをもり立てる木村、対人に強い石田の3バック。永倉、石沢、常木、金田とそれぞれタイプの違うボランチの人選もポイントで、西武台との準決勝は1年生GK関根が好セーブを連発して勝利を手繰り寄せた。
ロングボールから前線で起点をつくる3トップのFW陣はボールを運べる寺島が攻撃の要。先発する米山、須田が臆することなくボールを追い回し、切り札の五十嵐と渡辺を投入するタイミングで勝負に出たい。
昌平は昨季からの主力でJクラブへの入団が内定している須藤、小川、小見、柴の4人が健在。ボールを保持して細かくパスをつなぐスタイルを貫きつつ、相手の出方に応じて攻め手を変える柔軟性も持ち合わせる。
トップ下で躍動する1年生荒井に刺激されるように、準決勝の正智深谷戦では2年生MF平原が中盤を落ち着かせて攻勢の呼び水となった。柴、小川の両ボランチが高い位置でプレーする時間が長くなれば、小沢、田島らサイドバックを含めた攻撃に厚みが出る。
局面を打開するドリブルと抜群の決定力を兼ね備え、1年次から日本高校選抜などに名を連ねた須藤は2列目の左から多彩なアイデアを披露。ここまで4得点のFW小見はオフザボールの動きにたけ、相手守備陣にプレッシャーをかけ続ける。