別学「共学化」で“当事者”調査へ 中高生、保護者対象「より詳しく把握が必要」 浦和高以外も意見聴取へ
昨年8月の埼玉県男女共同参画苦情処理委員による県立男女別学高校の「共学化」勧告を受け、日吉亨県教育長は26日、定例会見で、中学・高校生らを対象にしたアンケート調査を行う方針を示した。共学化について当事者にアンケートを実施するのは初となる。
調査は3月以降の予定で、8月末までに提出を求められている報告書の参考にする。中高生のほか、保護者も対象にし、実施方法や内容については検討中としている。
県教育局は、「県立高校の特色化に向けたアンケート」(26日に終了)で、中高生とその保護者を対象に、高校選びの観点として「別学であること」もしくは「共学であること」をどの程度重視するかの項目を設問したが、「あくまで学校づくりの参考にするもので、勧告とは分けて考えている」(魅力ある県立高校づくり課)と、報告への影響を否定していた。
日吉教育長は「魅力ある県立高校づくり課の方でやっているアンケートもあるが、より詳しく別学のことについては把握する必要がある」とした上で、「(共学化について)さまざまな意見があると思う。できる限り多角的に多くの方々から意見を伺い、検討したい」と述べた。
県教育局には23日までに、県民らからメールなどで共学化に関する意見が38件届いており、内訳は「別学維持」21件、「共学化賛成」16件、「どちらでもない」1件となっている。
また、会見で日吉教育長は、教育局が27日に浦和高校の同窓会関係者に実施した意見聴取に関連して、ほかの別学校同窓会や保護者などの関係者にも順次意見聴取を行うと明らかにした。
聴取の日程は次の通り。
浦和高校同窓会(27日午前)▽浦和高校保護者(同午後)▽浦和第一女子高校保護者、後援会、同窓会(30日)▽熊谷高校保護者、後援会、同窓会(31日)▽熊谷女子高校保護者、後援会、同窓会(2月3日)▽鴻巣女子高校保護者、同窓会(同6日)▽春日部高校保護者、後援会、同窓会(同10日)▽川越高校保護者、同窓会(同17日)▽松山高校保護者、後援会、同窓会(同17日)。一部、日程調整中の別学高校もあるという。