<新型コロナ>安心して療養を…埼玉県、自宅療養者に無料で食事セット配食 ベルクなどが受託、18日から
埼玉県は新型コロナウイルス感染により、やむを得ず自宅療養を余儀なくされた人に対し、米飯やパスタ、レトルト食品などを詰めた食事セットの無料の配食サービスを18日から開始する。県内63市町村全てが対象で、感染予防のため対面せずに渡す「置き配」方式を取る。全国では愛知、沖縄県などに次いでのサービス開始となる。県は「安心して療養してもらうための一助になれば」と話している。
食事セットは1日3食分相当の3~5日分で、主食や副菜のほか、食欲がない時のためゼリーや栄養補助スナックも入っている。県が把握した療養者に配食サービスがあることを告知。食事セットは各保健所に運ばれた後、配送事業者が専用車両で療養者宅へ届ける。配送事業者は配達前と後に療養者宅に連絡し、玄関前などに置くことを知らせる。
食事セットは、生活協同組合コープみらい(さいたま市)と食品スーパーのベルク(鶴ケ島市)が受託しており、望ましい食品の摂取などをアドバイスした献立表を同封。療養上の注意点やオンライン健康相談サービスなどを案内するパンフレット、血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーターも同時に届ける。
対象者は自宅で療養している基本的に無症状の陽性者。療養期間が長くなり、配食サービスを受ける期間も長くなった場合、保健所に連絡すると追加の配食を受けられる。
国が食事セットや弁当配布といった自宅療養者向けの食事確保を交付金の対象としたことを受け、愛知県と沖縄県が全国に先駆けてサービスを開始。県食品安全課は「弁当では衛生管理上の懸念が残るので、食事セットの配食を採用した」と話しており、さらに「アレルギーや宗教上の事情による個別対応や配慮は難しい」としている。
予算規模は療養者2240人分を想定し、配送料4千万円を含む約1億3千万円。県は2020年度一般会計補正予算案として県議会の9月定例会に上程し、可決している。1食当たりの費用に要する上限1500円。