埼玉新聞

 

埼玉の大規模“水道メーター泥棒”ついに逮捕、自称会社員の男42歳 広いエリアで昨年メーター320個、今年すでに100個消える…一部に男が関与、自宅で10個発見 水道メーターにこだわり、新築工事現場ばかり狙った理由

  • 県警が押収した水道メーターや犯行に使用された工具など(県警提供、画像の一部を加工しています)

    県警が押収した水道メーターや犯行に使用された工具など(県警提供、画像の一部を加工しています)

  • 県警が押収した水道メーターや犯行に使用された工具など(県警提供、画像の一部を加工しています)

 埼玉県越谷市内の住宅工事現場から水道メーターを盗んだとして、埼玉県警捜査3課と上尾署の合同捜査班は29日、窃盗の疑いで上尾市浅間台2丁目、自称会社員の男(42)を逮捕した。県警は同様の手口の余罪があるとみて捜査している。

 逮捕容疑は昨年12月26日午前0時13分ごろから午前0時31分ごろまでの間、越谷市南荻島地内の新築戸建て住宅の工事現場から水道メーター(計6754円相当)を窃取した疑い。「間違いない」と容疑を認めており「金が必要だった」などと供述しているという。同課は転売目的で犯行に及んだとみている。

 同課は昨年11月以降の盗難被害増加を受け捜査を始め、現場付近の防犯カメラなどの精査から犯行を特定した。自家用車で犯行現場周辺を物色し、新築工事現場を狙って犯行に及んだとみられており、男の自宅などから水道メーター10個や犯行に使用したとみられる工具などを押収した。

 同課によると、昨年1~12月で発生した水道メーターの盗難被害個数は約320個。今年は1月29日時点ですでに約100個に上っており、その一部に男が関与しているとみている。

■水道メーター窃盗、県内相次ぐ 背景に金属価格高騰か 住宅建築現場で多く

 県内で水道メーター窃盗被害が相次いでいる。県警捜査3課によると、昨年1月~今年1月29日時点で約420個のメーターが盗難された。また、生活安全総務課によると昨年1~11月に県警が認知した金属類の窃盗被害は664件と一昨年から約6割増えた。金属価格の高騰が背景にあるとみられ、県警は対策と注意喚起を促している。

 被害が多いさいたま市を管轄する同市水道局によると、同市内では昨年11月~今年1月29日までに76個(被害額約45万9千円)の水道メーターが窃盗被害に遭った。中でも岩槻区内では、昨年12月8~14日の短期間で26個(同約16万6千円)が盗まれたという。

 メーターを覆う金属は銅などの合金で「砲金」(ほうきん)と呼ばれており、同局などは盗難被害が相次いでいる背景について、金属価格の高騰が一因とみている。被害に遭った場所の多くは新築戸建ての建設現場だった。担当者は「建設現場では工事業者を装えば疑われにくく、建物の奥で人目のつきにくい場所に設置されているメーターが狙われやすい傾向にある」と分析。「定期的に検針やメンテナンスをする必要があり、メーター自体を施錠することもできない」と対策の難しさを説明した。

 同市では、他にも中央区や緑区、見沼区でも被害が確認されており、同局は管轄の警察署へ被害届を提出している。また、同市以外でも川越市や朝霞市、八潮市、越谷市など県南東部や西部でも被害が確認されている。

 県警は被害が多発している地域で警察官の巡回と自治体との情報交換を強化している。対策として、防犯カメラやセンサーライトなどの設置を推奨しており「不審な人物を見かけたら迷わずに通報して知らせてほしい」と呼びかけている。
 

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