埼玉新聞

 

ますます繁盛…観光中心地・一番街商店街で「二升五合市」 「地元の支え忘れず」川越市民に“地元割”

  • 太鼓のれんを掲げ、店頭に野菜を並べるサニーサイドテラス=28日午前、川越一番街商店街

    太鼓のれんを掲げ、店頭に野菜を並べるサニーサイドテラス=28日午前、川越一番街商店街

  • 太鼓のれんを掲げ、店頭に野菜を並べるサニーサイドテラス=28日午前、川越一番街商店街

 埼玉県川越市の観光の中心地で「蔵造りの町並み」で知られる一番街周辺で、「地元割」として市民を対象にした特典やサービスが提供される「二升五合市(にしょうごんごういち)」が始まった。川越一番街商業協同組合主催で、加盟店のうち63店舗が参加。2月4日まで。

 取り組みは、閑散期の一番街を盛り上げようと、1980年代から始まった。過去には福引やスタンプラリーも実施。時代に合わせて形を変え、昨年からは商店街を支える市民に感謝を伝えるために「地元割」を開始した。

 観光客が増加し、混雑で足が遠のいていた地域住民にまた足を運んでもらい、一番街の歴史を感じてもらおうと昔の営業風景の再現や商品・サービスを提供。特典を受けるためには、イベントのチラシや川越市民であることを証明できるものを持参し、各店舗で見せる必要がある。

 ベトナム雑貨などを販売する「サニーサイドテラス」では、会計時に使える値引きガチャを実施。月に1度、市内の朝採れ無農薬野菜の販売を行っており、今回は同市開催に合わせて行った。店主の佐々木彰子さんは、「特典提供で、普段は混雑で足が遠のくお客さんとも話がしやすい」と話す。

 同組合で街並み整備事業の責任者を務める神田善正副理事長は、「震災などで観光客が減った時も、地元の人たちの支えで営業してこれた。観光客が増えても地元の支えを忘れず、参加店も増やしていきたい」と意気込んだ。

 藤井清隆理事長は、「市民に焦点を当てることで思い切ったサービスを提供できる。混雑などで足が遠のいている人にも、地元割をきっかけにもう一度商店街に目を向けてもらいたい」と語った。

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