ホテルにいた20代3人を逮捕、“高額報酬”で誘っていた詐欺リクルーターら カンボジアのシアヌークビルで身柄確保されていた 国内で受け子も捕まり、リクルーターも逮捕…会社員の男27歳
カンボジアを拠点とした特殊詐欺に関与したとして、埼玉県警捜査2課と草加、吉川署の合同捜査班は31日、いずれも住所不定、職業不詳の男(27)、男(22)、男(27)の3容疑者を詐欺の疑いで、同国からタイを経由して日本に移送する飛行機内で逮捕した。
また、県警は同日までに日本国内の共犯者として、兵庫県多可町中区西安田、会社員の男(27)と熊谷市妻沼東2丁目、会社員の男(41)を逮捕。職業不詳の3容疑者と会社員27歳男はリクルーター、会社員41歳男が現金を回収する受け子で、県警は指示役や電話をかけるかけ子が他にいるとみて組織の実態解明を進める。
5人の逮捕容疑は氏名不詳者と共謀し、昨年12月12日午前8時ごろから数回、横浜市の女性(75)方に長男を名乗り「大事な書類をなくした」「今日中に3千万円が必要」などと電話。同日午前11時半ごろ、女性方付近の路上で長男の同僚を名乗る男が女性から現金102万円をだまし取った疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。
捜査2課によると昨年、県内で起きた特殊詐欺事件で受け子を逮捕。この受け子が口座売買の仲介役や受け子、出し子らのリクルート役で、捜査過程で関係者が浮上し、12月11日にカンボジア当局がシアヌークビルのホテルで職業不詳の3容疑者の身柄を確保。その後、会社員41歳男と国内でリクルート役をしていた会社員27歳男の関与を特定した。
職業不詳の男らリクルート役は交流サイト(SNS)で高額報酬を誘い文句に受け子らを募集。会社員の41歳男が闇バイトに応募した。リクルーター同士は秘匿性の高いスマートフォンの通信アプリで連絡を取り合っていたという。
拠点とみられるホテルからはスマホ十数台やタブレット端末数台が見つかっており、県警はこれらを解析するなどして事件の背景の解明を進めるとともに、余罪があるとみて追及していく方針だ。
カンボジアから移送された男らは、31日午前5時40分ごろ羽田空港に姿を現した。マスクや帽子を身に着け、捜査員に付き添われて移動した。